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オフィスの経費を圧迫する3大ランニングコストとその対処法とは?
経費の削減というのはどのオフィスでも悩みのたねです。特に、オフィスの規模が大きくなるほどに経費は膨れ上がり削減は難しくなります。それでも小さなことからコツコツと削減すれば収益に繋がることは確かです。
ただ、いざオフィスの経費を削減するとして「どこから手を付ければ?」と分からないことがほとんどのようです。確かに、オフィス内で何にどれだけランニングコストが掛かり、どれだけ削減できるのかというのはイメージが難しいと言えます。
ポイントは必ず発生する毎月の「ランニングコスト」から考えるということです。今回は、オフィスの経費を圧迫しているランニングコストベスト3とその対処法についてご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
1.電力消費に掛かる2大コスト
オフィス内の経費として切り離せないのが「電力消費」に関するものです。今の時代、全く電力消費しないオフィスというのはまずあり得ません。むしろエアコン・照明・パソコン・コピー機などオフィス内には電力を必要とする機器ばかりです。
ただ、一様に機器としても経費として電気を消費する割合は大きく異なります。あまり電力を消費しない機器に対応しても十分な効果は望めないので、どの機器がより多くの電力を消費するのかを把握し対処する必要があります。
①エアコン
電力消費という経費では「エアコン」が最も大きいと言えます。これは毎日の仕事場であるオフィス内の快適性にはエアコンは必須で、基本的に就業時間内は常に稼働しているためです。
反対に、設定温度を「1度変更する」だけでエアコンに掛かる電力消費を10%ほど削減できます。例えば、夏場は26度から28度と2度変更するだけで20%の経費の削減と非常に簡単です。
②照明
エアコンと同等かそれ以上に電力消費に関わるのが「照明」です。多くのオフィスでは未だに蛍光灯が主流かと思います。正直、蛍光灯は電力消費が激しく年間10,000円/本ほどの経費が掛かるとされます。
そこでおすすめなのが「LED照明」に変更することです。電力消費だけで考えると、LED照明は蛍光灯に比べて40%ほどしか掛かりません。さらにLED照明の寿命は10年ほどと長期的に見ても経費削減に繋がります。
もちろん、エアコンの設定温度の変更や照明をLED照明にするにはデメリットも存在します。例えば、エアコンであれば暑さ・寒さが苦手な社員の快適性の低下、LED照明は設置に多くの費用が必要です。
しかし、代わりに服装の薄着・厚着を推奨することで十分に快適性は保つことは可能です。また、行政・自治体の補助金制度を活用することでLED照明をお得!に導入できる場合もあります。
2.OA機器の維持・管理コスト
次に、オフィス内の経費として注目したいのは「OA機器」に関わる維持・管理コストです。中でも、パソコン・複合機というのはどのオフィスにも欠かせないもので、どちらも安いもので数万円から高いもので数十万円します。
また、これらOA機器というのは精密機器です。1度導入しても故障・誤作動を起こすことは珍しくなく、定期的に点検・整備する必要があります。そして、初期費用が高い機器ほど比例して維持費も高いものです。
①パソコン
オフィス用として「使うかも」という曖昧な理由で、数十万円もする高スペックなものを選んでいませんか?正直、オフィスで基本となるOffice(Word・Excel・PowerPoint)であれば低スペックなもので十分です。
中には「セキュリティが」「壊れやすいのは」など心配する方もいますが、最近では数千円のセキュリティソフトでも十分な効果を発揮します。また、クラウド型サーバーにデータを保存しておくことでパソコンが壊れてもデータを残すことは可能です。
②複合機
毎日、会議のために何百枚と印刷するのであれば大型の高価な複合機が必要です。ただ、中小規模のオフィスにそれほどのスペックはほとんど必要なく、数万円のお得!な複合機でも十分に対応できます。
また、画像を印刷することがないのならモノクロのみの複合機を選ぶのも1つの手です。複合機はカラーかモノクロかで数十万円の差が出ることも珍しくなく、不必要な機能のないものを選ぶと経費削減に繋がります。
ただ、電気消費で紹介したのと同様に、パソコンや複合機で機能が制限されるといくつかのデメリットはあります。例えば、パソコンであれば低スペックなものほど処理速度が遅くなりやすく社員の不満に繋がるかもしれません。
複合機であればカラー印刷や高速印刷などたまに使いたい機能がなくて困ることもあるでしょう。それでも、パソコンは役職に合わせてスペックを選択できますし、複合機はリース(レンタル)すれば十分に対応が可能です。
3.通信コストは意外と無駄だらけ
グローバル化が進む中、ビジネスにおいて素早く適切な情報交換ができる法人携帯は必須です。事実、MM総研の調査(2015年度)によると72.6%の企業が社員に法人携帯(ガラケー・スマホ)を貸与しています。
ただ、必須であると同時に無駄が多いのも法人携帯の特徴です。例えば、月額料金の見直し・無料アプリの導入など、ちょっとしたポイントを押さえるだけで全体として大幅な経費の削減が期待できます。
①月額料金
ドコモ・ソフトバンク・auなどの大手キャリアの法人携帯は月額3,000円/回線ほど。その上、通話料やデータ量が複雑なプランも多く全体での通信費が把握しづらくなっています。台数が多くなればなおさらです。
そこでおすすめなのが「格安SIM」という選択肢です。いわゆるMVNO事業者が提供するサービスで、例えば「楽天モバイル」の通常SIM(ベーシックプラン)であれば月額1,250円(税別)/回線とお得!に利用できます。
②通話料金
先述した通り、グローバル化が進む社会として海外との取引というのも多く海外出張も珍しくありません。当然、大手キャリアによくある無料通話プランは国外通話には対応しておらず、通常よりも割高な通話料が発生します。
そんな時はLINE・Skypeなどに代表される「無料通話アプリ」を活用するのがおすすめです。ネット環境さえあればどこでも無料!で通話できるので、ホテルや取引先など無料Wi-Fiを利用すれば経費を削減できます。
当然、上記のような格安SIM・無料通話アプリの活用にもデメリットは存在します。例えば、ほとんどの格安SIMには実店舗がないので大手キャリアほどのサポートは受けられません。中には、法人契約を受け付けない格安SIMもあります。
また、無料通話アプリには常に情報漏洩のリスクが付きまといます。しかし、格安SIMにも電話・メール窓口は存在しますし、無料通話アプリは法人携帯自体にセキュリティ対策を施せば十分にリスクを回避できるでしょう。
4.番外編
今回は、オフィス内で特に大きな経費と言える「電気消費」「OA機器」「通信コスト」の削減について考えてきました。ただ、せっかくなので大きなものだけでなく小さな経費の削減も考えてみませんか?
「チリも積もれば」と言いますが、小さな経費を長期的に削減できれば無視できない規模です。例えば、名刺印刷・郵便代など1件ずつは小さくともオフィス全体で見ると意外と大きな経費になるものはあります。
①名刺印刷
ビジネスの小道具として欠かせない「名刺」、例えばプリントパック(ネット印刷)を利用すると100枚1,000円〜1,500円ほどで印刷できます。一見すると安い!と感じるかもしれませんが、消耗品と考えるとまさに「チリも積もれば」です。
ただ、よく考えると100円ショップには名刺用台紙が普通に販売されています。「この質の台紙でないとだめ!」と特殊な素材の台紙やデザインを求めるならいざ知らず、一般的な名刺であればオフィス内の複合機で十分です。
②郵便代
サンプル品やカタログ、契約書やDMなどビジネスを円滑に進める上で「郵便代」はある程度は覚悟する必要があります。ただ、定形郵便(封筒)で82円/通なので年間で考えると無視できない経費です。
ちなみに、宅配業者と法人契約をすると郵便代を1割以上もお得!にできる場合があります。また、カタログやDMなどデータ化できる郵便物はメールやデータ便として送ることで宅配業者を通すよりも経費の削減が可能です。
しかし、他の削減と同様に名刺印刷・郵便代などもまたデメリットが挙げられます。例えば、名刺をオフィス内で印刷すると台紙が安っぽいものになったりデザインが良くない場合があります。名刺を企業の顔と考えるなら問題です。
大切な書類などをデータ化すると不正アクセスによる情報漏洩の被害に遭うかもしれません。ただ、シンプルなデザインの名刺であれば台紙を選びませんし、データ化する書類をあらかじめ選定すれば情報漏洩のリスクは防げます。
5.まとめ
いかがでしたでしょうか?今回はオフィス内で発生するランニングコストベスト3とその対処法についてまとめてみました。「消費電力」「OA機器」「通信コスト」など意外とランニングコストは削減できます。
ただ、どんなランニングコストもある程度は覚悟が必要です。無理にランニングコストを削減すると日々の業務に影響するばかりか、社員側から反発されるかもしれません。ランニングコストの削減は社員側の協力があってこそです。
大切なのは、企業側と社員側が協力してランニングコストの削減に動くということです。ぜひ、紹介したポイントを参考にしてランニングコストは削減し、その分だけ収益化に繋げてください。