- Home
- 光熱費の5割は空調⁉光熱費を削減するための3つの考え方
光熱費の5割は空調⁉光熱費を削減するための3つの考え方
東日本大震災からすでに6年、原子力発電所の停止を始め化石燃料の高騰など毎年のように電気代は値上げされています。2011年の東日本大震災から2017年現在までで電気代はおおよそ3割値上げです。
電気代の値上げはオフィスにとって経費の増加という形で降りかかります。では、どうすれば電気代の値上げに対応できるのか?最も効果的なのはオフィス内の消費電力を減らすというものです。
ただ、いざ消費電力を減らすと言われても「どこから?」と迷います。オフィスは電気機器の塊です。そこで、今回はオフィスの経費として大きい電気代を削減する方法をご紹介しましょう。どれもすぐ試せるのでぜひ参考にしてください。
1.何に電気代が掛かるの?
冒頭で紹介した通り、ここ数年の間に電気代は値上げされオフィスの経費を圧迫しています。反対に、電気代を上手に節約できればオフィス全体での経費の削減に効果が期待できる訳です。
ただ、オフィスは電気機器の塊として電気がなければほとんどの機能を失います。過剰な削減はできません。いかに無駄を見つけ出し、上手に消費電力を減らすかがポイントです。
①何に電気代が掛かるの?
結論から申し上げると、オフィス内の電気機器で最も電気を消費するのは「空調機器」で全体の48%ほどです。その次が照明機器・OA機器で合わせて40%を占めています。
確かに、空調機器は夏場・冬場はもちろんオフィス内では常に稼働しています。また、照明機器はオフィス内を始め廊下やトイレなど数多く設置され、パソコンや複合機などのOA機器もまた欠かせません。
②空調・照明・OA機器がポイント!
空調機器・照明機器・OA機器を合わせるとオフィス内の電気代の80%以上を占めていることが分かります。つまり、これら3つの機器の使用状況を見直すことでオフィス内の電気代を大幅に削減できるでしょう。
ただ、先述したように電気代を過剰に削減するとオフィスの機能が失われます。また、空調機器がなければオフィス内は快適に保たれず業務になりません。当然、照明機器が使えなければオフィス内は薄暗いままです。
③業務を妨げない範囲で
光熱費に代表される電気代はもちろん、オフィス内の経費の削減は企業として利益性の向上のために必要です。反対に、経費の削減によりオフィス内の生産性が低下していたのでは本末転倒と言えます。
大切なのは「オフィス内の業務を妨げない」ことを大前提にできる範囲で電気代を削減することです。また、電気代の節約はオフィス全体で行う必要があるので、社員全員が納得した上で実践するようにしましょう。
2.空調機器の節約術
オフィス内の電気代は空調機器が50%を占めています。つまり、空調設備の電気代を節約できればオフィス全体の経費の削減に大きく貢献できるのです。反対に、空調機器は時期ごとに電気代が上がりやすく要注意です。
では、どうすれば空調機器に掛かる電気代を削減できるのでしょうか?ポイントは「空調機器にばかり頼らない」ということです。空調機器はもちろんですが、その他のアイディアでオフィス内の室温・体感温度は調節できます。
①温度設定を2度だけ変更する
エアコンのような空調機器は設定温度を1度変更するだけで10%の節電効果が望めます。例えば、これまで夏場にエアコンを26度設定にしていたとします。ただ設定温度を28度と2度ほど上げるだけで20%の節電です。
ちなみに、最近のエアコンは室温のコントロールが上手にできるので「自動運転」が最も電気代の節約に効果的です。また、エアコンの消費電力は起動時が最も多くなるので、終業時間まで付けっ放しの方がお得と言えます。
②服装自体を季節に合わせる
たった2度でも、エアコンの設定温度を変更すると暑さ・寒さを感じやすくなります。そんな時は、服装で調節するのが効果的です。例えば、「クールビズ」で知られるように夏場であれば襟付きシャツのみネクタイなしなどです。
反対に、冬場であれば重ね着で対応できるでしょう。正直なところ、クライアントに合わないならオフィス内の服装は特に制限する必要はありません。電気代の削減で考えるなら、個人の体質・体調に合わせた服装が一番です。
③扇風機や遮光設備を導入する
冬場ならまだしも、夏場(猛暑)の際には服装だけでは対応できないこともあるでしょう。そこで効果的なのが、扇風機や遮光設備を導入することです。遮光設備とは遮光ガラスやグリーンカーテンなど太陽光を遮るものを指します。
一般的に太陽光がオフィス内に取り込まれることで室温は上がります。反対に、太陽光の量を減らすことで室温の低下に繋がります。ちなみに、グリーンカーテンを利用した菜園は社員の衛生環境の改善にも効果があるのでおすすめです。
3.照明機器の節約術
いくら空調機器を見直しても、オフィス内の電気代の削減としては限界があります。そこで、次に見直したいのが照明機器です。ただ、照明機器はオフィス内の重要な光源なので無理に減らすと業務に支障が出ます。
では、どうすれば照明機器からの電気代を削減できるのか?ポイントは「必要な光源だけを利用する」ということです。ちょっと思い返せばオフィス内の照明機器は無駄な部分が数多く浮き上がります。
①LED照明に切り替える
オフィス内の照明機器は白熱電球ですか?それとも蛍光灯ですか?もし、どちらかの照明機器を使用しているならLED照明に切り替えると電気代を60%近くも削減できます。オフィス全体の照明機器と考えると大きな違いです。
また、白熱電球や蛍光灯とは異なりLED照明は熱を発生させません。つまり、LED照明であればオフィス内に何個あったとしても室温に影響しないのです。結果、照明機器だけでなく空調機器の電気代もお得!にできます。
②照明機器を取り外す
オフィス内の照明機器は何個ありますか?そして、すべての照明機器は本当に必要ですか?おそらく、ほとんどのオフィスにおいてなくても困らない照明機器は一定数あるものです。正直、机が照らされていれば作業はできます。
思い切って照明機器の数を減らすのも1つの手です。例えば、廊下・トイレ・給湯室などは最低限の照明機器さえあれば十分でしょう。照明機器が少なければ、電気代はもちろん照明機器自体の購入費も抑えられます。
③付けっ放しをなくす
昔、母親から「電気を付けっ放しにしたらもったいない」と叱られた経験は誰しもあると思います。では、オフィス内ではどうでしょうか?自宅とは異なり、オフィス内で照明機器の付けっ放しを気にする方はほとんどいないのでは?
電気代の節約は「使わない機器の電源は切る」のが基本です。「チリも積もれば」という言葉があるように、自宅と同様にオフィス内でもこまめに照明機器のスイッチは消すように社員に徹底しましょう。
4.OA機器の節約術
照明機器と同様にオフィス内の電気代を占めるOA機器、上手に節約できれば全体の経費の削減に効果が期待できます。しかし、パソコン・ファックス・複合機などOA機器は業務に直接的に関わるものばかりです。
当然、使用の制限をすると業務が滞ります。では、どうすればOA機器の電気代を削減できるのでしょう?ポイントは「設定を少し変える」ということです。各OA機器の設定を把握すれば自ずと対策は見えてきます。
①パソコンは明るさを落とす
最近のパソコンは室内の明るさに合わせて画面を最適な状態に保つ機能が付いています。ただ、パソコンや照明機器の位置などによっては、その機能が正常に働かずに画面の明るさが頻繁に変わり消費電力が増えるのです。
明るさをマニュアルに切り替えて少し暗めに設定しましょう。明るすぎる画面は消費電力が増えるだけでなく、刺激が強すぎて目に良くありません。ちなみに、照明機器を背にすると画面が暗くてもあまり気にならないのでおすすめです。
②複合機はスリープモードを活用する
複合機の中には待機中の消費電力を抑える「スリープモード」が搭載されたものがあります。ちなみに、いくら電気代を削減したいからと複合機を電源ごと切るのはおすすめできません。複合機は立ち上げに数分掛かるためです。
反対に、スリープモードであれば瞬時に立ち上がるので業務に支障は出ません。ちなみに、複合機であれば印刷をモノクロのみ・両面印刷に限定すればインク代・用紙代などの経費も削減できてお得!です。
③省エネタイプのものを導入する
パソコン・ファックス・複合機などのOA機器は毎年のように新機種が発表されています。そして、各メーカーは消費電力の削減には特に力を入れており、新しいOA機器ほど省エネ機能が充実しているのです。
そこで、予算があるなら思い切ってOA機器を省エネタイプのものに買い換えるのも1つの手です。中でも、パソコンや複合機のように頻繁に利用するOA機器は少しの違いで消費電力には大きな差ができます。
5.まとめ
今回は、オフィス内の経費の中でも光熱費(電気代)の削減について考えてみました。いかがでしたでしょうか?オフィス内の電気代は空調機器が48%で照明機器・OA機器が40%、合わせて80%ほどを占めています。
つまり、これら3つを見直すだけでオフィス内の経費を大幅に削減できる訳です。しかし、消費電力が大きいということはそれだけオフィス内で頻繁に使用されており、日々の業務に欠かせない機器ということでもあります。
当然、過度な削減は業務に差し支えます。ポイントは、「業務に差し支えない範囲」で対応することです。ぜひ、紹介した内容を参考に電気代を上手に削減し、最終的にはオフィス全体の収益性の向上に繋げて行きましょう。